「ここへ畑を起こしてもいいかぁ。」
「いいぞお。」
森が一斉にこたえました。
田畑を切り拓く百姓と森の話。食料などがなくなり、人間が森と対話しながら解決し、交流が始まります。
人が自然の声にちゃんと耳をすまし、礼儀をつくしていた時代。
人と自然の中は、豊かで暖かくユーモアに満ちたものだった…。
現代こそ見つめなおすべき、賢治が提示した人と自然との関係。
片山健が力強く勢いのある油絵で、荒々しさと温かさを合わせ持つ森の世界を描ききってます。
【プロフィール】
絵●片山 健(かたやま けん)
1940年、東京都生まれ。
『タンゲくん』(福音館書店)で講談社出版文化賞絵本賞。『でんでんだいこ いのち』で小学館児童出版文化賞。『きつねにょうぼう』(長谷川摂子/再話 福音館書店)で日本絵本賞大賞など、受賞多数。
その他の絵本に『おなかのすくさんぽ』『おやすみなさいコッコさん』(以上、福音館書店)、『むぎばたけ』(アリスン・アトリー/作 矢川澄子/訳 福音館書店)、
『どんどんどんどん』(文研出版)、『ぼくからみると』(高木仁三郎/文 福音館書店 その後のら書店)、『やまのかいしゃ』(スズキコージ/作 架空社、その後福音館書店)、『のまどくん』(文溪堂)、『だーれもいない だーれもいない』(福音館書店、その後復刊ドットコム)など多くの絵本をてがける。夫人である片山令子との共作に『たのしいふゆごもり』『もりのてがみ』『とくんとくん』(以上、福音館書店)、『あな』(ビリケン出版)などがある。
●使用画材:油絵具/用紙:キャンバス
【発行日】2008年10月17日