賢治がのこした一冊の手帖。
そのなかにあった言葉が、多くの人々の心をゆさぶりつづけている。
闘病生活のさなかに賢治が書きとめたその言葉は作品として書かれたものではなく、賢治の祈りそのものだった…。
「ぼくはね、この『雨ニモマケズ』をあかるく描こうと思うんだ」
柚木沙弥郎が『雨ニモマケズ』とじっくり向かい合い、深く見つめた渾身の作品!
親しみやすくなるように、抽象的になりすぎず、絵から「感じられるもの」を大事にしたいという思いで描かれています。
※巻末に賢治の弟、清六の孫、宮沢和樹氏のエッセイ、「雨ニモマケズ」手帖の画像を掲載。
【プロフィール】
絵●柚木 沙弥郎(ゆのき さみろう)
1922年、東京生まれ。
戦後、倉敷にある大原美術館に勤務。そこで民藝運動に出会い、芹沢介に師事し、型染めを手がける。型染めの他にもさまざまな版画やガラス絵などの作品にも挑戦し、幅広いジャンルで活躍。
1958年に型染めの壁紙がベルギーのブリュッセル万国博覧会で銅賞。1990年に『賢治遠景』(用美社)で第1回宮沢賢治賞を受賞。
国内にとどまらず、2008年よりパリで個展を開催。2015年にフランス国立ギメ東洋美術館に多くの作品が収蔵された。
初めての絵本『魔法のことば』(エスキモーのことば:金関寿夫/訳 クラフトスペースわ)で1996年に子どもの宇宙国際図書賞を受賞。同書は2000年に福音館書店版が刊行された。『せんねんまんねん』(まど・みちお/詩 理論社)で産経児童出版文化賞美術賞を受賞。
その他の絵本に『トコとグーグーとキキ』(村山亜土/作 福音館書店)、『つきよのおんがくかい』『そしたら そしたら』(以上、福音館書店)、『雉女房』(村山亜土/作 文化出版局)、『ぜつぼうの濁点』(原田宗典/作 教育画劇)など。
●使用画材:透明水彩/用紙:水彩紙(アルシュ)
【発行日】2016年10月15日