うずのしゅげと呼ばれることもあるという野に咲く可憐な花の物語。
うつむくように咲くその花を、上から見れば黒紫に見えるのが、蟻から見ればお日様の光を透かして燃えあがるように赤くなる。
さまざまに変幻していくこの花を賢治はこよなく愛していた。
美しい情景と、丁寧に描きこまれたおきなぐさに心奪われ、温かな気持ちになれる1冊です。
【プロフィール】
絵●陣崎 草子(じんさき そうこ)
1977年、大阪府生まれ。大阪教育大学教養学科芸術専攻美術科卒。
絵本作家、児童文学作家、歌人。
『草の上で愛を』で講談社児童文学新人賞佳作を受賞し、同作でデビュー。
絵本作品に『おむかえワニさん』(文渓堂)、『おしりどろぼう』(くもん出版)、
『高尾山の木にあいにいく』(ゆのきようこ/作 理論社)、『おかめひょっとこ』(最上一平/文 くもん出版)など。
物語作品に『片目の青』(講談社)、『桜の子』(文研出版)、『ウシクルナ!』(光村図書出版)など。歌集に『春戦争』(書肆侃侃房)がある。
●使用画材:色鉛筆、アクリル、アクリルガッシュ/用紙:水彩紙(ストラスモア)
【発行日】2019年10月13日