「誰でも、家畜を殺そうというものは、その家畜から死亡承諾書を受け取ること、又その承諾証書には家畜の調印を要する」という布告が発令された。殺される運命にある豚と、彼を淡々と肥育する人間の関係を豚目線で描いた、「命」を考えさせられる作品。
ペンで描いた素材をパソコンに取り込み、組み合わせて描かれた、考え抜かれた見事な色彩と構図は必見。
【プロフィール】
絵●nakaban(ナカバン)
1974年、広島県生まれ。
美術の教師であった父親の影響で絵画を始める。絵画作品を中心に、印刷物の挿絵、絵本、映像作品の制作に没頭するかたわら、音楽家のトウヤマタケオと
「ランテルナムジカ」を結成し、音楽と幻燈で全国を旅する。
2013年に、「とんぼの本」シリーズ(新潮社)のロゴマークを制作。
主な著作に絵本『よるのむこう』(白泉社)、『みずいろのぞう』(ほるぷ出版)、『ないた赤おに』(浜田廣介/作 集英社)、『ぼくとたいようのふね』(BL出版)、『わたしは樹だ』(松田素子/作 アノニマスタジオ)など。
●使用画材:サインペン、[泣いている豚の絵:鉛筆の芯(グラファイト)+石油溶剤]、色は印刷時に指定/用紙:クロッキー用紙
【発行日】2016年10月15日